Bar La Roche - ラ・ロシュ -
オーセンティック・バー  それは純然たる大人の為の止まり木。
プロフィール

Author:la.roche
【フランスの社交場をイメージした店内】
ひとり静かに飲みたい夜、大切な人と静かに語り合いたい・・・
そんな紳士淑女の為の止まり木です・・。
 18坪の店内は、わずか12席のみです。
ゆったりとしたスペースで贅沢な時間をお楽しみ下さい。

【環境と人に優しいナチュラル・カクテル】
季節感と自然の風味を大切に、そして体に優しいカクテルを・・・


【コスト・パフォーマンスの良いお酒を・・】
隠れた名酒を紹介していきたいと思います。
「生涯忘れられない一杯」に巡り会うかもしれません・・。

【お願い】
*団体(4人以上)でのご来店はお断りしております。
*携帯電話をマナーモードにお願いします。
 「静かな時間を求める 一人、もしくは二人の為に・・・」
深いご理解と、ご協力をお願い致します。



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看板を出さない理由
先日、初めていらしたグループのお客様が、開口一番に言いました。
「この店、なんで看板出してないの? 私たちみたいな客が来ると困るからでしょう?」
と、いきなりネガティブ・マインドです。

「そんなことおっしゃらないで下さい。 とりあえず、どうぞ」とテーブル席へご案内しました。

「やっぱり、分かりずらかったですか?一応、ビルの入口付近に小さな看板があるんですが・・・」

もっとカジュアルな店を想像していたのでしょうか?何か思惑が外れた様子です・・・
どうも肩に力が入っているのが伝わってきます。

「カクテルなんて知らないから、適当に何か作って!」と、ナゲヤリです・・・。

「せっかく、こういう店に来たんだ、雰囲気を楽しんで、静かに飲もうや!」と、
男性の方が助け舟。(助かります(-_-;))

居酒屋で軽く飲んできたとのこと、女性二人には、それぞれ「季節のフルーツ・カクテル」を
男性には「ジン・トニック」をお出ししました。

もっとリラックスしていただきたくて、こまめに声をおかけしたりしたのですが・・・
結局、女性陣はそれぞれ1杯、男性がジン・トニックを3杯飲まれ、お帰りになりました。

時間的には、わりとゆっくりされていましたが、終始、強張った表情はゆるみません。(T_T)
最後は笑顔でお帰り頂くのがプロのサーヴィスなのですが・・・。(まだまだですね凹)


        〜〜〜〜☆〜〜〜〜★〜〜〜〜☆〜〜〜〜★〜〜〜〜



先日、初めていらした若い女性のお客様が、カウンターに座るなり
「うわぁ〜緊張するぅ〜、こういう店、初めてなんです」と、ソワソワした様子でした・・・

「緊張するのは、空気が読める証拠ですから。 普通に振舞って頂ければ大丈夫ですよ。
緊張感があるから、バーは良いんですよ。リラックスしてくださいね!」

しばらくすると、当店のコンセプトや、ポリシーについて色々と質問されました。
勿論、しっかり向き合ってお答えしました。

すると彼女は、胸に秘めていたことを打ち明けてきました。

仕事のこと、結婚や出産への不安、そして将来のビジョンが明確でないこと・・・。

やはり、私の思った通り、とても感受性の強い人でした。

「ね? もう緊張してないでしょ? 
バーって席に座るまでは、ちょっと緊張するけど、一杯飲めば、なぜかリラックスできる。
それくらいで丁度良いんです。
入口に看板がないのは、本当にウチの店で飲みたい人だけに来てほしいからなんです。」

すると彼女は、「また愚痴聞いて下さい〜!」と、苦笑した。


別に、アングラなカルト・バーにしたくて看板を出していないわけではありません。
(実際、ビル入り口付近に小さな看板を出していますしね)

扉を開ける勇気がなくてUターンしてお帰りになったという話も少なくないですし、
リスクは伴いますが・・・(涙)

「どうしても、ラ・ロシュで飲みたい」と、おっしゃってくださるお客様を大切にしたい。
という想いからです。
深いご理解を・・・・。









ワン・ゲット、ツー・ロスト?
そんな英語があるかどうかは知らないけど・・・
”ひとつ覚えると、ふたつ忘れる”
子供の頃、大人たちがよく言っていた。
まさか、自分がそうなるなんて想像もしていなかった。

お客様と、映画の話で盛りあがり、「主演の俳優、なんて名前だっけ?」
と、問われ、一緒になって「え〜と・・ん〜と・・ほら、あれ!、それ!」
「顔は分かるんですけどねぇ〜、以前あの映画に出てた人でしょ?」
なんとも情けないやり取りである。

バーで流れていたジャズでも、「あっ、このCD持ってる」とジャケットは思い出せても
どうも、アルバム・タイトルが出てこない。
以前なら、「この時のセッションは、(p)はレッド・ガーランド、(b)はポール・チェンバース、
(ds)はフィリー・ジョー・ジョーンズですよね」なんて得意気にウンチクたれてたのだが・・・。

映画や、音楽なら、まだ笑える。 最近では仕事にまで支障が出てきたからヤバいです。

「Chベイシュヴェルって格付け何級だっけ?」とか、
「ブルー・ド・ヴェルニュって、羊乳だっけ?」という質問に、一瞬フリーズしてしまったり・・・

「キングストンをお願いします」というオーダーに、「はい、かしこまりました」と
ジャマイカ・ラムを手に取ったまでは良かったが・・・
何故か、(その方が以前オーダーされた)「リトル・プリンセス」と混乱して
スウィート・ヴェルモットを取り出し・・・
結局、出来上がったのは「パイレーツ」というカクテルでした。(オイ、オイ!)

怖いのは、作っている時は、何のためらいもなく作っているのですが、
お酒を、棚や、冷蔵庫に戻しながら、「あれ?」とジワジワと気が付くわけです。
勿論、そのお客様には、ちゃんとお詫びしましたが。

先日も、「キッス・イン・ザ・ダーク」をオーダーされたのですが・・・
チェリーブランデーしか思い出せない、思い出そうとすると、何故か「キッス・オブ・ファイヤー」
のレシピが出てきてしまう! 以前の間違いを踏まえて、その場を離れカクテル・ブックに頼る
ことにした。(コラッー!)

逆に、「イスラ・デ・ピノス」というカクテルをお作りした時に
「なんていうカクテル?」と聞かれ、どうしても名前が出てこなくて、
思わず「パイナップルの島です」と答えてしまったことも・・・(情けない)
(これをスペイン語でイスラ・デ・ピノスという)

この手のカクテルって、スタンダードだし、ポピュラーなカクテルなのですが、
オーダーは、意外に少なく、1年に1度か、へたしたら2〜3年に1度位かナ。(当店では)
それでも、暗記していられるのが”プロ”なんですけどね・・・。

こうした情けない事実を受け入れることを余儀なくされています・・・トホホ。
プロとしての自覚もありますから、忘れないよう努力(リハビリ?)が必要ですね?!

昔は記憶力には自信があっただけに、辛い!
脳を鍛えるゲームとか馬鹿にしてたけど、なんとか手を打たねば・・・。

「笑っている、そこの貴方!  いつまで笑っていられるかなぁ? 」
パブリック・バーの嘆きに耳を傾ければ・・・
今回は、バー・テンダーとしてではなく、ひとりの客としての目線で綴ってみよう。

仕事が終わって、家路につく前に、一息(一杯)するのが至福の時だったりする。
べつに、酔うことが目的じゃぁないから、30分か、せいぜい小一時間ほどか・・・
2杯のワインと、美味いモルトがワン・ショットあれば事足りる。(←one for the road というやつね)

以前は、後輩や友人がやっているバーなんかに、ちょくちょくと顔をだしていたのだが
どうも、知り合いやら、ウチにもいらしてくれるお客様と遭遇する確率が意外に高い。
「バー好き」が行く店は、どうも似ているらしい。

やはり、ふだんカウンターの内側にいる人間が、同列にいる事は、
お客様的にあまり望ましい事ではないのかな?と思い、
最近は(遭遇率が低い?)毛色の違う店に出没している。
すると、今までとは違う景色が見えて、意外に楽しかったり、勉強になる事も・・・。

某カフェ・バーでは、バック・バーの上部に「本日のおすすめ」が書かれた黒板と、
【話し声は”ひっそり”で・・・お静かにお願いします】と書かれた黒板が掛けられている。

そこの店主は、本当に実直で、店の空気を乱す事のない様、いつも目を光らせている。
実際、しっかりアテンドしている姿に思わず感心してしまう。
「空気を乱す人がいることで、大切なお客様が離れてしまったら一番悲しいから」と。


とってもカジュアルでリーズナブルなカフェ・バーなので、もっと自由に、楽にやっているのだと
勝手に思い込んでいたもので、少し嬉しくなった。
当たり前のことだけど、その当たり前の事が出来てない店が本当に多いんですよね(苦笑)

そのカフェで、時々一緒になる「某横丁のバー」をやっていた某氏と話したこと・・
雑多な横丁だからこそ、いろんな事があったという。
「大切なお客様を守る為」 毅然として一喝した場面が何度かあったとか・・・
「マナー違反は、絶対に許さない!」と熱っぽく語った。(ウチより遥かに厳しいではないか!)
某氏は、理路整然としていて、実に「常識人」なのだと驚いた。

私はひとつ、大きな思い違いをしていたようだ・・・
「オーセンティック・バーだから、きっちりとしなくては・・」と、思っていましたが、違った。
「パブリック(庶民的)」だからこそ、存在する暗黙のルール。いや、モラル。
気軽に寄れる店だからこそ、店主の姿勢が問われる訳だ。

この「パブリック・バー」ともいえる両者の切実な嘆き・・・深く胸に染み入ります。
「バー」の看板を掲げていても、この二人のように毅然とお客様を守ってくれる店が
どれほどあるのだろうか?
技術や知識も大切だけれど・・・それだけでは本末転倒というもの。
スタイルこそ違うけれど、「サーヴィスの本質」を、客の目線で学んだ気がする。

客として、そこに居場所が在ること。 
守られた空間に、自分が居るという安心感。
お互いが邪魔にならぬ様、少しだけ気を使いながら、同じ空間と時間を共有する・・・。
一番大切な事です。


こういう店(バー)が増えてくれたら、どんなに心強いことか・・・。


Honesty
先日、あるバラエティ番組で、某大物俳優がゲストで出演していました。
MCの 「息子さんに、これだけは伝えたい事、ありますか?」と、いう問いに

「人として誠実であれ。それだけは伝えたい・・・」と、おっしゃっていました。

そうですよねぇ〜こんな時代だからこそ心に響きますよね?またもや、食品スキャンダル・・・
不信感は募るばかりです。



せいじつ【誠実】
[心のこもっていること] sincerity, [実直] honesty,




目の前の「売上」も大切。食っていくには「金」が必要。生活の為、家族の為に。
だからと言って、「魂」だけは譲りたくはない。
「費用対効果?」 ビジネスだから綺麗事じゃぁない・・・。
誰もが、そんなグレー・ゾーンで憤りを感じながら、なんとか日々を過ごしているのだと思う。


でも、なんの為の人生なんだろう? 
誰の為でもなく「人として誠実でありたい」

自分の仕事に、嘘をつきたくはないから・・・
アメリカン・ギャングスターのラッセル・クロウが象徴している様に。


しかしながら、世の中 誠実な人ばかりじゃないから・・・悲しいけど。
そうではない人を責めるよりも、私たちが「本物を見極める目」を持たなければ、と思う。

本物が評価される時代が来ることを、私は心から願います。
ねじれた世の中を変えられるのは、我々消費者なのだから!!

手を汚すその前に、「人として誠実であれ・・・」


「汚れた手でつかんだ美しき人生。 人生をかけてつかんだ美しき正義。」
アメリカン・ギャングスター
一番怖いこと・・・
当店のモットーは「大人が寛げる、癒しの空間」。
しかし、その癒しの空間が壊されることが稀にあるのです(残念ですが)。

そんな時には、しばらく様子を伺い「これ以上は無理」というところで
毅然として、「少しだけ声のトーンを落としていただけますか?」とお願いしています。

殆どの場合、それで済むのですが・・・。

先日、考えさせられた場面がありました。

最近、プライベートで知り合った○○さんが女性を連れていらしてくれました。
ずいぶん楽しい時間をお過ごしの様子で、かなり高揚されていました。

いらした時は、他にお客様もなかったので、特に何も言わなかったのですが・・・
まぁ〜そのご機嫌な声が店内に良く響き渡ること!(やれやれ)

すると、そこに別のお客様がご来店されました。
すかさず、「○○さん、お静かにお願いします!!」とお願いすると、
「あ〜ゴメン、ゴメン分かってるから!」と取り合えずは治まりました。

そして、新規のお客様のオーダーを伺いに行くと・・・
ここ、そういう(騒いでいい)店だよね?と言わんばかりに、私を茶化してきました。

そういう空気が伝染してしまったんですね・・・(涙)

初めていらしてくれたお客様ですし、本当はリラックスしてほしかったのですが・・・
あえて冷静に受け答えをしました。
すると、茶化してたお客様も「あら?」と、つれない私の態度に戸惑った様子でした。

○○さんが「マスター最後に何か一杯作ってよ」と注文されたのですが・・・
「とりあえず、これを・・」とミネラルウォーターをお出ししました。

すると○○さんは、そのグラスをしばらく見つめて・・
「俺、飲み過ぎだよね? 本当は、この店では格好良く飲みたいって思ってたのに・・
本当にマスターに迷惑かけちゃったね、今日は帰るよ」と、突然、我に返ったようでした。

その様子を一部始終見ていた新規のお客様が私に尋ねました
「この店のコンセプト、教えてもらえますか?」と。

「今夜は騒がしくてごめんなさい。いつもは静かに飲める空間作りを心がけているのですが・・」
と当店のポリシーについて説明すると、

「いやぁ〜、俺もほろ酔いで、ちょっと調子に乗っちゃったんだけど、その通りですよね」
と、ご理解を頂いたようです。

今回、怖いなと思ったのは、大声で話すお客様ではなく、「そういう空気が伝染する」こと。
いくら私が毅然としていても、いとも簡単に壊されてしまうなんて・・・。

やっぱり、お客様がラ・ロシュの空気を作っているんだなぁ・・。
「バーの質は、お客様次第なんですよね」